校長日記20
ウサギが脱走した!!
 9月6日、生活文化交流センター2階の道具置き場の棚を一部解体した。丁寧に作ってある棚の解体は容易ではない。河中さんを中心に職員全員の手を借りて外した。そのまま担いで階段を下りるほど小さくない。
一旦、北側の床に運んで観音開きになっている場所までもっていって、そこからロープで吊るして下ろした。大仕事である。作業棟の陶芸窯が座っている部屋の隣り、工作台が据えてあった跡に、野菜を置くための棚として置いた。やがて掘るサツマイモの置き場所に使えるようにした。去年は大量のサツマイモを段ボール箱の中で腐らせてしまって、子どもの口には入らなかった。全く惜しいことをした。今年こそ、その轍は踏むまいと決めていた。
その後、農具倉庫から20mの塩化ビニール管を埋設して農楽堂にひいた水道の蛇口を2つに増やした。新しい板張りでピザ作りをさせたいので、その際の手洗い水が必要になる。流し台も要るのだが、廃材にまみれて放置されていたセメン作りの流し台を据えた。この流しは旧炭鉱住宅で使われていた年代もので、鉄の芯がむき出しになっていた。祝原さんが、その上からセメントを塗りつけて赤さびの鉄芯を隠してしまった。見かけだけは、流し台らしくなった。ここで行われるピザ作りの光景が楽しみである。
10月5日、朝、生活体験学校に着いてみるとウサギ小屋の外に一羽のウサギがチョコンと立っているではないか。久しく見なかった脱走ウサギである。通常飼われているウサギは別名穴ウサギといって地面を掘って穴を作る。穴に入るし、時に穴で子どもを産んでいることもある。ウサギ小屋を拡張したので薄いコンクリートで地面を覆ったのだが、わずかに露出した地面から這い出して掘りやすいところから深い穴を掘った。
 
 
ブロックの下にほどこされた捨てコンの下を掘って外へ通じるまで掘ったのである、そこから屋外へ脱出したというわけである。随分前にはウサギが敷地の外まで出て、近所の住宅の家庭菜園を荒らして大変な苦情をいただいたことがある。それも一度だけではない、何度も起こった厄介である。ウサギを取り逃がすと大変な近所迷惑になる。原君がタモで取り押さえてくれたので大事にはいたらなかった。とはいえ、二度と外へ脱出されては困る。ウサギ小屋の拡張部分にエキスパンドメタルを敷き込んで全面にセメントを張った。ついでに、ウサギ小屋の扉2枚を取り外して1枚を新たに取り付けた。新たに取り付けた1枚は前の扉を半分に切った大きさにして、外からウサギを見やすいようにした。最近は、合宿のない日に幼児と母親がウサギやヤギを見にくることが多くなった。9月14日には庄内こども園からの要請があって、ヤギを園につれていった。ヤギの出前である。生活体験学校の樫の枝と葉を切って持っていったら、園児たちがヤギに与えて大喜びした。ヤギの名前は?ヤギの年はいくつ?と一斉に質問がくる、それも私の袖を強烈に引っ張って返答を催促する。頭の中に園児たちの声がいつまでも残った。10月13日は、庄内小学校6年生からの要請でヤギを連れていった。朝から小雨の切れ間がないような天気で、あるいは延期かなと思っていたが、昼から雨がどうにか止んだのでヤギの出前が実現した。
(飯塚市庄内生活体験学校々長、平成29年 10月17日)