校長日記3
片づける
 生活体験学校のことで以前から気になっていたことの一つに、敷地や施設内部にある使われないままの物品の処分がある。何年も前からの物もあれば、日々発生する不用品もある。日々発生してはたまらないが、台風15号の被害による廃棄物のようなものもある。台風による被害…屋根が飛んだ!平成27年9月19日(土)は、「片づけ」が思った以上にはかどった。
 台風の被害は、本体施設に損害はなかったが、ボランティアの手作りになる老朽化した屋根2か所が吹き飛んだ。東からの強風によるものと思われる被害で、一つはペンキ小屋と呼んでいるプレハブと動物飼養のためのフェンスの間に張られたトタン屋根全部が飛んだ。飛んだ屋根の広さは、およそ7m×7m程度である。この屋根は、以前は大工仕事の切り込み等の作業をする時に使われていたが、この数年は雨避けの単なる物置きとして使われていた。屋根を作ってから、少なくとも十年以上は経過しており、落ちかかった屋根を下から支えて、やっと持ちこたえていたような状態だった。これは教育委員会の予算で現状復旧してもらうことになった。他の一つは、保冷庫をそのまま持ち込んであったもので、床は既に抜け落ちていたのだが、台風で屋根が飛んだ。大きさは、3m×3.5m程度である。小さなものではない。以前は灯油置き場として使われていた時期もあったが、この数年は何の用にも使われていなかった。この保冷庫の二面を囲うようにトタン屋根が張られて物置に使われていた。このトタン屋根の物置は、教育委員会の予算で現状復旧してもらうことになっている。この物置には手のつけようもない古い脱穀機2台と苗ものを運んできた古いトレイが大量に置かれていた。保冷庫は現状復旧というわけにはいかないのでNPOドングリで片づけて欲しいということだった。職員の話では、保冷庫は一見頑丈そうに見えるが解体することはできそうだという。解き始めると保冷庫とトタン屋根の物置は一緒に打ち付けてあるところもあって、剥がしてみると様々な形のトタンがかなりの量になった。トタンは散乱すると危険でもある。原和也君が回収業者に連絡を入れてくれて、ほどなく軽トラックで業者が来てくれた。これだけの量のトタンを軽トラックに積めるかな?と思って見ていたのだが器用に積み込んで殆ど持っていってくれた。すっきりした。
この二つとは別に以前から修理しなければならないと話し合っていた風呂焚き場の屋根が、台風の襲来でダメ押しの被害を受けた。波トタンは経年劣化していて剥がす時から割れるほど古くなっていた。東西両端の垂木は腐食して取り替えるしかない。祝原さんが取り外して新品の垂木を打ち付けてくれた。張り替え全体は、祝原さんが殆ど一人でやってくれて、一部の修理には生活体験学校の職員も加わった。
 9月19日(土)は、子どもゆめ基金助成活動「野菜作り」の第6回目の活動日だった。
その前日15日(金)に敷地内の古タイヤを原君の手配で片づけることができた。引き受けてもらったのは、大野城市御笠川にある有限会社タイヤチップセンターである。使用済みのタイヤを子どもの遊具に使うことが一時流行った時期があった。少なくとも十年以前の古い話になるが、流行が過ぎ去った後も古タイヤは敷地内のそこここに散乱したままであった。タイヤの窪みに溜まった雨水は蚊の繁殖に好都合という代物で、片づけられないまま時間が過ぎて、長い間気がかりだった。使うわけでもないゴミのような物を放置したままというのは何ともいただけない。原君の骨折りに感謝しながら、胸のつかえが下りた思いであった。古タイヤの数は42本あった。
 もう一つ気になっていたのが畑の南西の隅に積まれたままの使い古しのマルチである.畑の雑草を防いでくれるマルチは野菜作りに欠かせない物だが、古くなったら処分しなければならない。これも量がかさむと片づけるのも簡単ではない。ついに、保護者に手を貸してもらって片づけることにした。可燃ゴミ「大」の袋に7つ分あった。お父さんお母さんの奮闘に頼って、正門入り口の脇にあるゴミ置き場に運んでもらって片付いた。
 平成27年9月28日(月)は、定例の職員会議の日であった。10月の合宿の進め方や職員出勤日の提示と確認をする日である。ほとんどの職員が揃うので、重たい作業はこの日に行うのを常としている。午前の打ち合わせが予定より早く終わったので、解体した保冷庫の全体を覆っていた発泡スチロールを嘉麻市稲築の焼却場へ運んだ。大量の発泡スチロールは可燃ゴミの袋に一つ一つ詰めた。詰めるだけで大変な作業量である。運転者は焼却場の位置を知っている津山さんと弟の高志に頼んだ。軽トラックに優に一台満載の量であった。その後は、堆肥小屋の屋根を新たにしてもらった時の古いビニールトタンを処分しなければならない。古いトタンがそのまま堆肥小屋の軒下に置いたままになっている。発注仕様がそういう風になっていたらしく、職員の手で片づけることにした。加えて、風呂焚き場の屋根を張り替えた時に剥がしたトタンを片づけなければならない。こちらは、可燃ゴミ袋に入れて稲築の焼却場へ持ち込んでくれということであった。古いトタンを可燃ゴミ袋に入れて出すというのは半端ではない作業である。20年以上前に厩舎を作る時に使った赤さびだらけのブリキ鋏3本を見つけ出してきて、これを使って袋に入る長さにトタンを切って袋に詰める。幸いにも当日は、祝原、津山、弟の高志、あまり役には立たない私を入れて4人で作業した。4人いたから片づけられた作業量だった。全て片付いた時は午後3時をまわっていた。厄介な仕事の場合はいつもそうだが、終わった時には達成感がある。改めて言うまでもない、子どもの体験活動の舞台が生活体験学校である。子どもが活動する狭い周辺だけを片づけ続けていると、数年経つと目立たない場所に不用な物が驚くほどたまる。劇場の舞台がそうであるように、客席から見える舞台の広さと同じか、あるいはそれ以上に舞台裏の広さが必要なのである。そして、舞台裏は舞台と同じように整理整頓されていなければ芝居も出来ないというわけである。

台風被害…ペンキ小屋 台風の被害…保冷小屋 台風の被害…畑
ペンキ小屋のトタン屋根が!!… 保冷庫の屋根が!!… 畑の野菜も風で倒された!!

 *****片付けの様子**** 
保冷庫 保冷庫撤去 保冷庫跡
保冷庫が→→ なくなって→→→ すっかり片付いた!!
     
台風被害…片付けの様子 台風被害…片づけたトタン  台風被害…利用するものは残した
再利用するもの
 頑張る、高志さんと祝原さん 不用なもの 
(飯塚市庄内生活体験学校々長、平成27年9月28日)